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Q013

乳牛 肉牛 雌雄の産み分けにはどのような方法があるのでしょうか?
様々な研究が行われていますが、今回は2つの方法をご紹介します。

早期受精による雌雄産み分け法

 早期授精による雌雄産み分け法とは「高泌乳化に伴う発情時間の短縮+X(雌)Y(雄)精子間の運動機能の違いなど」を利用し、「授精適期よりも早い時間帯での授精=発情発見後数時間の内に授精」する方法です。
 しかし、高泌乳牛での発情時間の短縮や運動機能はX精子の方が優れているという報告がありますが、酪農現場での実践結果はまちまちで「早期授精法」に関する試験研究の結果も同様です(図2)。受精をするためには、「受精能の獲得」や受精部位まで到達する「生存精子数確保」などのハードルがあり、卵子側にも「排卵タイミング」や「老化」などの問題があります。こうした要素も結果に影響を与えているのかもしれません。また、この方法は「適期授精(図1)」を併用できないため「受胎率」低下の注意が必要になります。

雌雄判別精液の利用

 Y染色体とX染色体を光学的分離装置で振り分けた精液を使用します。最近は信頼性の高い雌雄判別精液が実用化され、試験成績では一般の精液と遜色のない結果が出ていますが、現場からは「受胎率が低い」という声も上がっています。
 同じ試験では、判別精液を利用した場合、未経産牛の方が受胎率が良い結果が出ています(図3)。また、早期授精による雌雄産み分け法と異なり「適期授精」との併用は可能なので、雌雄判別精液と「適期授精」を用いることで受胎率を上げながら望む子牛を産むことが可能になります。