Q011
胎児の状態は、母牛の栄養や生理機能(アシドーシスや脱水、ホルモンバランス等)に大きく左右されます。
分娩約2ヶ月前頃から胎児は急速に成長するため、多くの栄養を必要とします。その際、母牛の栄養状態の悪化やストレス等の影響で、胎児へ供給されるエネルギーバランスが崩れてしまうことが「虚弱子牛」を誕生させる一因となっています。
また、ビタミンB群不足も「虚弱子牛」誕生に関係しているといわれています。それはビタミンB群が炭水化物やアミノ酸代謝に関わり、エネルギーを作り出す上で重要な働きをしているからです(図)。通常状態であれば、ビタミンB群はルーメン内で合成されるため,給与の必要はありませんが、暑熱等のストレス環境下では、ルーメン環境の保持が難しく、合成量が低下するため注意しましょう。特に母牛の代謝障害が疑われる場合は、ビタミンB群の給与を考慮する必要があるかもしれません。